2015.11.18-11.29
鈴木一太郎個展
「化物」

鈴木一太郎

現代アーティスト。
ドット絵・ピクセルアートなどのデジタルイメージを現実の世界に現すことで、新たな彫刻表現を追求している。

1988/4/10生まれ 27歳
岐阜県出身
2007 岐阜県立加納高等学校 卒業
2008 愛知県立芸術大学美術学部美術科彫刻専攻 入学
2012 同大学 卒業
愛知県立芸術大学大学院博士課程前期美術学部彫刻専攻 入学
2014 同大学院 卒業
名古屋付属大学中学校にて非常勤講師として任用
主な受賞・活動歴
2013 Tokyo Midtown Award 2013 アート部門 グランプリ
サイバーエージェント 学生版モックアップアプリコンテスト 金賞
愛知県立芸術大学 学校長賞
愛知県立芸術大学修了制作 優秀作品賞
岐阜県文化スポーツ功績賞 受賞
2014 ハワイ大学のアートプログラムに参加 同大学にて講演を行う
六本木アートナイト2014 出展
個展「あたまの中では、触れている」PIギャラリー
2015 グループ展「 “KITAJIMA/KOHUSKE”#09 〜椀Q松山翌の噂〜」カタ/コンベ
新宿クリエイターズフェスタ2015 出展
展示名「化物」(候補として他に、「The Stranger」)

展示コンセプト
架空の「化物」をドット絵彫刻として表現する。

デジタルメディアの発達した現代においては、
実物に先立ってイメージが与えられる。

実際に体験していない現実の物のイメージと、
実際には存在しない想像上の物のイメージの差はどこにあるのだろうか。

想像上のイメージがデジタルメディアの様相の儘(まま)、
ドット絵彫刻として「実際に」立ち現れた時、人は何をリアリティとするのだろう。

『化物』
実体が掴めないもの、正体が分からないもの、自分の理解を超えたもの、畏怖すべき架空の生物。

情報化社会の中で生きていると、情報やイメージが頭の中に多く入ってくる。
自分の頭の中の記憶の割合は、実際に経験した出来事と、
ディスプレイを通して得たイメージのどちらが多いのだろうかと、ふと不安に思うことがある。

頭の中の記憶の半分以上がディスプレイから得たイメージや、
情報だとしたら、その人にとってのリアルは何になるのだろう。

イメージから得た記憶には身体的な実感が抜け落ちている。
どれだけ写実的なイメージであっても、そこには実体が無く、
本当に存在した物事なのかどうかは分からない。

また、架空のイメージの場合では、それらにはそもそも実体は存在しない。

しかしながら、人間は想像することが出来る。
イメージの物事に自己を投影、投射することで『架空の体験』を自分の中に作り上げる。

物語の登場人物に感情移入したり、ニュースの事件に憤ったり、
キャラクターを愛でたり、ビデオゲームをクリアして感動したりする。

メディアが発達した現代では、実体が掴めないもの、正体が分からないもの、
自分の理解を超えたもの、架空の生物のイメージが『架空の体験』を伴って溢れている。

頭の中には、そんな『化物』のようなイメージだけが積もってゆき、私を形成してゆく。
化けた自分を心の底からせり上げて、形と実体を与えることで、何とか身体的な実感を得たいと思う。

鈴木一太郎


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