展示にあたり
この間バイト先で対応したお客さんに「こんな店もう二度と来ない」と
言われました。私は自分が恥ずかしく、アルバイトを辞めたいと思いました。
私は、仕事ができません。色々なタスクがあると頭の機能が遅くなったり、
果ては止まってしまったりするのです。それか、何かが頭から抜け落ちたり。
大人になるにつれバイトの時のように自分の存在が人に迷惑をかけたり
傷つけたりしていることを感じるようになりました。
自分はこの先生きていけるのだろうか?
私は社会における人間の望ましい姿とは異なる自分を持っています
(仕事ができない、コミュニケーションが不得手など)。
生産性について考えたときに私の存在はこの世界において何の益にもならないの
ではないか、そして自分という存在が良い意味をもたない場所で生きていくには
どうしたらいいのか。これは私が常々感じている恐怖と疑問です。
どうしたらこれを解消できるのか私にはわかりません。今の自分にできるのは
日々の中で楽しみを感じたことを記録し、この世界にいてよかったと思い出す、
という行為を繰り返すことです。
そのようにして、ダメでも楽しいこともある「代替不能な存在としての私」を
受け入れ生きること、それがこの恐怖に対抗しうる一握の希望だと思うのです。
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白鳥 日和子
しらとり ひわこ
1998年生まれ
2020年 静岡大学 地域創造学環 アート&マネジメントコース 卒業
2020年 愛知県立芸術大学 美術研究科 油画・版画領域 博士前期課程 入学
展示
2018 「ないぞう」 (ギャラリーsensenci/静岡)
2019 「生まれたいッ」(清水湾港博物館フェルケール博物館/静岡)
2020 「静岡大学 教育学部・地域創造学環 卒業修了制作展2020」
(グランシップ6階ギャラリー/静岡)
2020 「PAINting」 (静岡県立美術館 県民ギャラリーA/静岡)
2021 「絵画楽園宣言 ~あいちが育むキャラクターを思考する~」
(愛知県立芸術大学 学食2階次元/愛知)